スケールヘリコプターエンジン機を電動機に改造するPart2
こんにちは。HAJIME-FACTORYです。
「スケールヘリコプターエンジン機を電動機に改造するPart2」です。
前回からの続きで「エンジン機→電動機に改造する為の電動キットはあるのか?」
この回答については「ある」「ない」となります。
少し説明をしていきます。
まず「ある」という回答は
1、HIROBOが出している電動化キット
これは、スケールヘリコプターと言うよりHIROBOのシャトルやSDXはエンジンから電動に改造する為のオプションがメーカーから発売されてます。
2、Varioが出している電動用メカニックス
下の写真はVarioのエンジンヘリを電動に変える電動用フレームとモーターマウント、推薦モーターに合わせたギヤなどがオプションで販売されてます。
Varioの場合はコンバージョンと言うよりエンジン用やタービン用のメカニックスを電動専用のメカニックスに変えるセットが発売されてます。
Varioの場合はコンバージョンと言うよりエンジン用やタービン用のメカニックスを電動専用のメカニックスに変えるセットが発売されてます。
そして下の写真はVarioのタービンエンジンを電動に変更する為のメカニックスです。
Varioも電動のメカニックスが増えてます。
Varioと言えばジェットタービンヘリですが、そのタービンModelを電動化にする事により屋内でも静かに飛ばせます。これが、また素晴らしいです。
動画は全長2.3mあるVARIO BELL 430ですが素晴らしいフライトです。
タービンにはタービンの良さがあり電動には電動の良さがありますね。
そして、ドイツ職人が手掛けるギヤ精度、フレーム構造、パーツ精度により、この素晴らしいフライトが可能です。
そして、ドイツ職人が手掛けるギヤ精度、フレーム構造、パーツ精度により、この素晴らしいフライトが可能です。
3、個人のヘリマニア(ビルダー)が制作している。
特定の機種に限り自分や仲間の為に電動コンバージョンキットを製作した事を切っ掛けに要望が増え少数を量産し販売されてます。
一例ですが下の写真はHIROBOのフレイヤーのエンジン部分です。
そのエンジンを外し専用設計の電動コンバージョンを取り付けます。
このコンバージョンキットを取り付ける事により電動化が比較的、簡単に出来るよう設計されてます。
このコンバージョンはクラッチを利用するタイプですが、ダイレクト(直結)が可能なコンバージョンも生産されてます。
ダイレクトはスケールヘリより通常のスポーツフライトをされるフライヤーに好まれます。
このコンバージョンを製作している方はヘリコプターパーツ専門業者では無く個人で企画、設計、製作してますが、金属加工会社を経営されてますので個人と言っても素人ではありません。
言って見れば金属加工を本業とするヘリコプターマニアが作っているパーツといった感じです(^^)
次に「ない」という回答は
1と2以外は殆ど電動化に改造するキットは発売されてません。
特にヴィンテージの分類に入るメーカーのヘリ及び機種は電動に改造するパーツやキットはありません。
つまり、全て現物に合わせて電動ユニットや電動化パーツをワンオフで制作するようになります。
フレームやモーターを基に、そのヘリコプターに合った制作が必要で専用の金属加工などの機械と技術そして経験が必要です。
経験(体験)と言うのは、どのような「構造」「材質」「形状」で製作するのがベストなのかなど単に金属加工が出来ればという事では無く、そのヘリコプターに合った「構造」や「形状」が必要なので自身の体験や経験が必要です。
ただし、その前に電動に改造する為のユニットやモーターマウントまたクラッチベースなどの金属加工の精度が最も重要です。
スケールヘリコプターは少しの精度ズレにより振動が出ます。
下の動画はHIROBOのBIG LAMAのエンジンユニットを電動化に改造したパーツを当工房でテスト駆動し確認している動画です。
振動も無く、芯ブレもありません!
このBIG LAMAを電動化する為にワンオフで製作したユニットやクラッチベースを製作した方も本業では無くスケールマニアでありビルダーです。
と言っても本業は民家住宅の設計・施工をしている工務店です。
しかも伝統工法を用いて施工する職人です。
その職人が製作するだけに精度、構造も優れてます!
電動に改造し機体に取り付け加工が出来て完成と言うわ訳では無く、ここからがスケールヘリとしての調整や加工またセッティングが必要になります。
はもちろん、モーターはギヤ比を計算しKV値を決めますが同じKV値でも機体の大きさや構造によりベストな飛びが出来ない場合もあります。
KV値や出力によりトルクやパワーも変わりますしトルクやパワーが問題無くても電流値の問題で温度も変わります。
その為、特にBIG SCALEになるとモーターの選択やアンプの選択は重要になります。
そう言った事も何度かテストしながらメカ選びをする事もあります。
次の動画も、そう言った様々なテストを繰り返しながらスケールヘリ全体のセッティングを考えながらテストフライトしてます。
下の動画はHIROBOのBIG LAMAを工房前でホバリングチェックをしながらセッティング中の動画です。
「浮く」し「飛ぶ」と言うだけでなく「安定して浮く」のか「快適に飛ぶ」のか「サーボやモーターやアンプの負担はどうか」「振動はどうか」「燃費やメカ温度」などの確認やセッティングしながら詰めていきます。
つまりスケールヘリコプターを電動に改造し快適に飛ばすまでには様々な試作やテストまた経験が重要になります。
最初に紹介したHIROBOが出しているようなモーターも同梱されたコンバージョンはメーカー側で試作やテストをして発売してます。
また気を付けなければならないのはエンジン機の構造や仕様及びパーツは電動用には作られていない機種もあるという事です。
単に電動用にモーターマウントやモーターユニットまたクラッチベースを製造し変更するだけで問題無いという訳では無く電動のトルクやパワーに合わせて駆動部分の改造も必要になる機種もあります。
特に古い機種はテールドライブ駆動がワイヤー方式であったりしますので改造は必要です。
このHIROBOのBIG SCALE BELL430もエンジンから電動に変更し製作する為にボディからメカニックス部分を取り出し様々な試作やテストを進めていきます。
最近のヘリコプターは殆ど電動ですしVario社なども電動メカニックスが増えてます。
となると最初から電動で製作すれば良いのでは無いかという捉え方をしている読者もいると思います。
エンジン機から電動機への改造やカスタムの相談がある方々の主な理由が
(1)昔からスケールヘリコプターをされている方々は自分の愛機を大切にされてます。
特に自分でボディキットを製作したり塗装したとか自らスケールヘリを製作されたマニアにとっては自分のスケールヘリに愛着があります。
その愛着のあるスケールヘリコプターをエンジンから電動に改造し、これからも大切に飛ばしたいという想いがあります。
(2)今では入手出来ないようなスケールヘリもあります。
そう言ったスケールヘリコプターは、もう2度と手に入らない場合も多くあります。
その愛機も長く飛ばしてやりたいという事で電動化への相談も少なくありません。
記事にも出ているHIROBOのBIG LAMAも、そう言った手に入らないスケールヘリのひとつです。
(3)クラッチを活用したスケールヘリに魅力がある。
エンジンのクラッチを利用し電動化する事により実機感のあるスタートや音が魅力という方は多いです。
また、モーターとギヤを直結するダイレクト駆動とクラッチを介して駆動されるクラッチ駆動とではフライト感覚も違います。
下の動画はHIROBOのシャトルplus2のエンジン機をEPコンバージョンで電動化したシャトルとモーターとギヤがダイレクトなT-rex550を飛び比べしている動画です。
この動画は単に興味があり飛ばし比べしてますのでテストフライトではありません。
現在の電動ヘリコプターが殆どな時代であってもエンジン機を活用しスケールヘリコプターを制作したいという希望もあります。
その一例です。
機体はHIROBO SDXのEPです。
いい味、出してます(^^)
メーカーが出している電動コンバージョンや電動メカニックス以外は基本的にワンオフでの製作になりますが、この電動化に改造する為の、ユニットやパーツはHAJIME-FACTORYでは製作出来ません。
全て、仲間の協力で完成してます。
HAJIME-FACTORYは「スケールヘリを制作する」「スケールヘリを飛ばす」「スケールヘリの発信をする」「スケールヘリを魅せる」という作業は全てHAJIME-FACTORY内のスタッフだけでやってます。
しかし、HAJIME-FACTORYでは出来ない制作や作業もあります。
それをカバーして頂いているのが「ヘリコプターマニア」であり「ヘリコプタービルダー」であり「仲間」である協力者です。
この協力者と言うのは皆さんヘリコプター関連が「本業」ではありません。
その「本業」では無い方々がHAJIME-FACTORYの要望に対して真剣に協力して頂いてます。
この事は、電動化だけでなくHAJIME-FACTORYが制作するスケールヘリコプターに対して当工房では出来ない事に対して協力して頂いている方々がいます。
ご依頼者の相談は様々です。
「電動に改造して欲しい」だけでなく様々な相談や希望があります。
HAJIME-FACTORYの基本的な考えとして、どのような希望であっても「まずは可能かどうかを考える」です。
スグに「出来ない」「無理」という回答では無く出来るだけ希望に沿うように考えます。
その中でHAJIME-FACTORYでは難しいと判断した内容に関しては協力者や仲間に相談します。
もちろん、全ての希望を叶える事が出来ない場合もありますし、HAJIME-FACTORYとして完成度や制作物に対して不安要素があればお断りする事もありますし相談内容によりお断りする事もあります。しかし、まずは「前向きに考える」ことから始まります。
それはHAJIME-FACTORYを発足する理由の、ひとつでもあります。
「スケールヘリファンが望む、希望した時に、その事を可能にする場所がある」
そう言った工房でありたいと思ってます。
スケールヘリの製作でも、実機のようなカスタム制作でも、電動でもタービンでも「欲しい」と思った時に、それらを相談出来る、叶える事が出来る場所。
その場所である為にHAJIME-FACTORYを維持運営していると言っても過言ではないと思ってます😊
だからこそHAJIMEだけの力では無く多くの技術者やマニアがHAJIMEに集い力を貸してくれ協力してくれ応援してくれる仲間が大切だと思います。
しかも
プロであろうがプロで無かろうが技術が高くプロ意識を持っている仲間です。
では、HAJIME-FACTORYって、どんな協力をしてもらってるの?
このタイトルについては次回のBLOGで書いていきます(^^)
次回は「物」では無く「人」について書いていきます!
次回は「物」では無く「人」について書いていきます!