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素朴な疑問:HAJIME-FACTORYの「ボディカスタムと実機感」とは?

こんにちは。HAJIME-FACTORYです。

今回のBLOGは素朴な疑問な質問がある「ボディカスタムと実機感」についてです。
今回も読み応えたっぷりの長編BLOGです(笑)
お時間の許す時に最後までじっくり読んで頂ければ幸いです(^^)

良くHAJIME-FACTORYのBLOGなどに「ボディカスタムという言葉が出てきますがカスタムと何が違うのか?」という質問があります。

ボディカスタムを簡単に言うとグラスファイバー製のスケールボディを実機に近い形状に変える(作る直す)事を言います。
ボディ加工やボディ修正も、ボディカスタムの分類に入りますがHAJIME-FACTORYが言うボディカスタムと言うのはボディの形状を変える事を指している場合が多いです。

また「実機感」という言葉も出てきますが、これは非常に奥が深く写真や動画を見て「実機のようですね」という事では無く、目の前で見た時に、実機に近いオーラが出ているかどうかという事です。

HAJIME-FACTORYにとっても、この実機感を出すと言うのは「時間」と「技術」と「感性」が求められます。

もちろん、本物のヘリコプターとグラスファイバーで出来たスケールヘリとでは質感も全く違いますし本物の大きさから来る威圧感も違います。
そして、細かな部分で言えばボディラインやスタイルや全体のバランスも違いますので実機を100%再現したり実機を再現するのは無理だと思いますが、スケールヘリコプターとして、いかに実機感を出すかという事に拘り制作していくのがHAJIME-FACTORYで言う「Replica制作」です。

このボディカスタムと実機感を説明すれば多分、雑誌1冊が出来ると思います(^^;
実際、依頼者が元のボディを見ていて完成したReplica Customを見たとしても制作全体の半分も分からない、気が付かないと思います。

Replica Customになると元の原型の一部しか使わない事も多いです。

なので伝わらない部分も多いと思いますが少しだけ説明したいと思います。
本当に一部分だけですが・・・

ボディカスタムと実機感という中で、この二つは同一です。
つまり、実機感を出す為の基本となるのがボディカスタムです。

下の写真はAH-1W SuperCobraのテール部分ですが「左」がオリジナルつまり元のボディ「真ん中」が実機、そして「右」が制作中のReplica Custom AH-1W SuperCobraです。

AH-1W-700--ボディカスタム-2


写真や文章では上手く伝わらないと思いますので動画で簡単に説明していますのでご覧ください。
ナレーションの人が活舌悪いので何を言っているのか分からなかもしれませんが(^^;




動画で説明したテールの部分です。
この部分だけでも何度も修正し実機と照らし合わせながら作り上げて行きます。

AH-1W-700--ボディカスタム-1


下の写真はテール部分をカットしカスタム制作に入る為に、どこからカットするのか、どの形状やラインでカットするのかなどの下書きをしています。
基本図面などなく全て頭の中で図面を描きフリーハンドです。

AH-1W-700--ボディカスタム10


下の写真は実機を後ろから見た部分!

この実機だけが放つ実機感!

細かなディテールだけでなく質感や汚れや自然劣化など・・・難しいですね~!!

AH-1W-700--ボディカスタム-7


下はBell412の実機を後ろから撮影した写真!
戦闘ヘリでは無く塗装も様々なデザインがされた消防防災救難の民間ヘリ!
このようなヘリは塗装も比較的に綺麗で錆や汚れも比較的少ない!

ボディカスタムと実機感-11


そのような綺麗な塗装のヘリコプターの実機感を出すにはボディの質感や装備類のディテールまた形状やスタイルも徹底して作り込んでいく必要もあります。

下はReplicaCustomのBell212 仕上げの塗装(デザイン)では無く下地のホワイト塗装の段階です。
このスケールヘリもオリジナルボディ(元)の基本となる部分しか残っておらず殆どグラスファイバーで作り直してます。
もちろん、テール部分や水平尾翼やドアなどもワンオフで制作してます。
ボディ全体の装備類、備品、ディテール、開閉部分、スキッドなど全てが実機を再現する為に制作されたReplicaCustomです。

ボディカスタムと実機感-09



下はAH-1W SuperCobraのエキゾースト周り

AH-1W SuperCobraは旧タイプで同じAH-1W SuperCobraでもマフラー部分はバイパーのような横向きでは無く縦向きですがオリジナルボディは実機と比較して膨らみや角度大きさまた上部の構造やディテールが違いますので全てカットし作り直します。

AH-1W-700--ボディカスタム11


下の写真はマフラー部分をカットした写真です。

AH-1W-700--ボディカスタム-8


そして、制作中の写真!この部分は実機と比較すれば良く分かると思います。
まだ制作中なので、ここから更に加工していきます。

AH-1W-700--ボディカスタム-9

ボディカスタムと実機感-12


また一見分かりにくい部分も全てカスタム制作していきます。
下の写真はAH-1W SuperCobraのオリジナルボディ(元)の実機の弾薬を収納するドア部分です。

AH-1W-700-Original-比較-右


そして、下の写真は実機の弾薬を収納するドア部分です。
盛り上がりや形状が全く違います。
この写真は光の加減で側面の盛り上がりが分かりやすい写真です。

AH-1W-700-Real-比較-右


まずは、筋ラインやディテールまたリベットは全て削りパテで修正、ヤスリで均しながら綺麗にしていきます。

AH-1W-700-比較-消す部分


その下地がある程度、綺麗に出来てからボディをカスタムしていきます。

AH-1W-700-Custom-比較-右横


ボディカスタム前と後の比較です。
※ボディは完成では無く製作途中です。

AH-1W-700-比較-右横


完成すれば分からないようなボディカスタムと様々な加工や修正また詳細なディテールや細々とした装備類の集大成で実機を再現していきます。

分からないと言えばReplicaCustom BK117C-1の、この部分も分からないと思います。
依頼者がオリジナル(元)ボディを見ていたとしても分からない場合が多いです。

BK117C-1-ボディカスタム-1-1


下の写真はカスタム制作中の写真でサフェーサー状態です。
オリジナル(元)ボディと形状や大きさは変わりません。

BK117C-1-ボディカスタム-2


しかし、下の写真では変わっているのが分かると思います。

BK117C-1-ボディカスタム-3


そして実機の写真です。

BK117C-1-ボディカスタム-5-1


下の写真が装完成写真です。
光の反射などにより形状が分かりにくいかもしれません。

BK117C-1-ボディカスタム-4


当初、依頼者から50枚近い写真の提供をして頂いたのですが、その写真では分からない箇所があり実機の取材に行きました。
目の前で見る実機BK117C-1 JA291Fを撮影する中で、形状の違いがハッキリと分かり、工房に戻り、作り直しをしました。

私たちが実機の取材に行くのは、単に詳細な資料の為では無く、これから制作するヘリの実機を見る事により実機からしか感じられない鼓動や空気や重圧など様々な事を感じれるからです。
また、ヘリコプター以上に操縦士、整備士など「人」と触れ合う事により鉄のヘリコプターが魂の宿ったヘリコプターになります。

また違うボディカスタムでは無くパーツ制作においても実機感が無ければ作り直します。
例えば下の水平尾翼も同じです。
写真はオリジナル(元)のボディに付属する水平尾翼です。

ボディカスタムと実機感-13


下の写真はワンオフで制作中の水平尾翼

ボディカスタムと実機感-14


下はオリジナルと制作中の尾翼を並べている写真

ボディカスタムと実機感-15


そして、取り付けた状態の写真

ボディカスタムと実機感-17


そして、実機レプリカAIRWOLFの写真
この部分を再現するだけでも「実機感」が出ます。

ボディカスタムと実機感-16


ただ、この水平尾翼をワンオフで制作するという事は、取り付ける部分も元のボディの穴を埋め平らにして作り直しが求められます。

ボディカスタムと実機感-18


つまり、1つのパーツを変えるだけでボディも含め全てが変わるという事です。

例えば、下の写真はAIRWOLFのサンバーストですが

AIRWOLFサンバースト-3AIRWOLFサンバースト-4


依頼者からサンバーストが開閉出来るようにして欲しいと依頼があった場合、サンバーストの造形を作るだけでなくボディ側をカスタムして作る直す必要が出てきます。

下の写真を見て頂ければ分かると思いますがカバー部分の端が浮いてます。
それだけでなく、このAIRWOFの特徴でもあるカメラ部分とサンバーストのボディ側の形状、膨らみや幅も違うのと一番はオリジナルボディの造形が悪い事により滑らかでは無くボディ部分がうねってます。

その全てを作り直し綺麗にしていく所から始まります。

ボディカスタムと実機感-21


そして、サフェーサー状態です。

ボディカスタムと実機感-22


もちろんカバーとなる部分の素材も重要になります。
当初、グラスで作成したのですが時間が経過すると反ってきます。

ボディカスタムと実機感-20


その為、数種類の素材で製作し開閉の繰り返しと気温や時間の経過でも問題無く綺麗に閉まり、ボディに沿うカバーを作らなければなりません。
そして、完成です。

AIRWOLFサンバースト-3AIRWOLFサンバースト-4


1つのカスタムをすると言うのは、それに伴って他の部分も全て作り直しもしくは修正など手を加えていく必要があります。

依頼者は、そのような事は分かりません。
自身が持っている希望を私たちに伝えます。
その希望を受け止め叶えるという事は、私たちにとっても挑戦となります。

HAJIME-FACTORYのカスタムスケールヘリは同じ物を沢山制作する事はありません。
全ての依頼、全ての制作の殆どは初めての制作となります。
その為、カスタムスケールヘリの制作依頼を受け、依頼者の希望を叶えると決めた時点で私たちの挑戦でもあります。

カスタム制作は言わなければ分からない部分が多いと思います。
完成すれば全体像に目が行きます。
制作中のドアの角度や隙間やボディの僅かな形状など説明しないと分からない、説明したとしても元のボディと比較しながら説明しないと分からないような部分も非常に多いです。
実機に詳しい人や整備士また隊員であっても変化に気が付かない人もいます。

カスタム制作、カスタム加工だけでなくボディの修正や下地作りなどカスタム制作以外の基本の部分でさえ、相当の手間と時間を掛けて制作します。

そのような部分でさえ全て手を入れて行くのは、依頼者の想いや依頼背景また拘りなど様々な部分の想いと、実機感を出すという1つのテーマの中で創り上げていくのがReplica Customです。

もちろん、実際に空を飛ぶラジコン ヘリコプターです。
どのよなReplicaCustomであっても実機と同じく空を飛ぶという部分も妥協無く仕上げて行きます。

以前、BLOGでも紹介したディスカバリーチャンネルでスケールヘリビルダーの競技があったと思いますが、その中で審査されるのは、スケールヘリとしての造形的な完成度とR/Cとしてのフライト性能が両方とも重なって初めて審査員から認められます。

どんなに大変な思いをして創り上げても審査当日に飛ばなければ、また飛びの質が悪ければ落とされます。
だからこそR/C スケールヘリコプターなのだと思います。

「ボディカスタムと実機感」というテーマでBLOGを書きましたが、今回、紹介したAH-1W SuperCobraのカスタム部分や加工部分は全体のほんの一部です。
完成を100%とするならば5%も紹介出来ていません。

AH-1WにしてもBK117C-1にしても全てを公開するとなると1冊の雑誌が出来ると思います(^^;

でも、いつかHAJIME-FACTORYの〇〇〇が出来るまでという雑誌が自費出版で出来るといいなと思ってます。

「実機を再現する」「実機感を出す」の2つのテーマは私たちHAJIME-FACTORYにとっても、尽きる事の無いテーマのように思います。

今回も長いBLOGを最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m


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