名古屋の金属加工職人
先日、愛知県名古屋市と岐阜県中津川市の二人の職人(友人)に会いに行って来ました。
お一人は名古屋市の金属加工職人の松永さん
そして、もうお一人は岐阜県中津川市にある有名なローターブレードメーカーハイプロダクトの長瀬さん
お二人の仕事場つまり製造現場に行って来ました。
今回のBLOGでは名古屋市の職人はラジコン ヘリコプターのカスタム金属パーツを製造してくれている松永さんのBLOG記事です。
最近で言えばBELL222系のオレオ脚を製造してもらいました。
試作を何度も作り直し大きさ、角度、形状、スプリングの強さなど何度も作り直してもらいながら完成しました。
メーカーボディに付属しているリトラクトに角度も測定しながらオレオ脚を作る。
オレオ脚の製造だけでなくリトラクトの収納具合なども考えながら作る。
BELL222系のスケールヘリコプターに欠かせないアルミのオレオ式リトラクト脚!
アルミ製のオレオ脚は過去にもラジコンメーカーさんが販売していたのですが数年前から殆ど入手出来なくなりました。
ヒロボーやファンキーのボディには引き込み脚が付属しているのですが、いわゆる針金脚です。
ヒロボーやファンキーはスタイルの良いBELL222やAIRWOLFを製造しているのに、なぜランディングギヤは針金なん?
コスト削減もあるとは思いますが製造メーカーからすれば着陸する為の装置としてスキッドと同じ感覚なのではと思います。
では何故、飛行機用のCNC オレオ式リトラクト脚はあるのにヘリコプター用は無いのでしょうか?
飛行機は必ずランディングギヤがありますがヘリコプターはBELL222系などの限られた機種にしか無い。
しかも、ランディングギヤがあるヘリコプターでも機種によって形状や車輪数が全く違う。
そして、実質、入手可能なスケールボディは限られているという事で販売数つまり製造数が飛行機に比べ大幅に少ない。
その為、製造するメーカーは利益が少ないので積極的に製造しないというのが現実です。
スケールヘリコプター専門工房のハジメファクトリーとすればBELL222やAIRWOLFにアルミ製のオレオ脚は、殆ど必須なパーツです。
多くのスケールファンも同じだと思います。
針金脚では無くオレオ脚が欲しい!
実機のようにスプリングが付いたオレオ脚を装着したい!
着陸した時、置いている時にオレオ脚が装着されているだけでカッコイイ!
スケールヘリコプターファンにすればランディングギヤは単なる着陸をする為の脚(スキッド)では無くBELL222やAIRWOLFを、よりリアルに、よりカッコよくする為のアイテムでありパーツです。
そのスケールファンやハジメファクトリーの希望を快く受けて頂いたのが松永さんです。
もちろん、利益が出る仕事してでは無く利益が出なくてもスケールヘリコプターファンの為に作ってくれました。
しかも、ハジメファクトリーの細かな要望にも嫌な顔ひとつせずお互い楽しみながら製造してくれました。
本当に感謝です!
しかし、その感謝と言う言葉は松永さんの会社(現場)に行って更に深いものになりました。
電話やメールでお互い打ち合わせをしながら試作品が出来、その試作品を送ってもらって、そこから更に要望を出し試作品を作り完成した。
その間、製造現場を見ていない。
そして、他の打ち合わせも兼ねて松永さんの会社へ訪問した。
お父さんの代から金属加工会社を経営している松永さん
工場の中は古くても名機と呼ばれる大型の工作機械がある。
そしてマシニングセンタもある。
そして工場内に、あるものを発見?した。
これ何?
何かの加工製品?
そこで松永さんに説明してもらった。
これは、オレオ脚を作るための「ジグ」です。
「ジグ」とは
治具は当て字。工作物を固定するとともに切削工具などの制御、案内をする装置。おもに機械加工、溶接などに用いる。これによっていちいちけがきする手間がはぶけ、加工が容易になり、仕上がり寸法が統一されるので作業能率を増し、大量生産に適する。
オレオ脚を作るのに、こんなに「ジグ」が必要なの?
と金属加工は素人な私は思いました。
この「ジグ」と「手間」を考えるとオレオ脚1つ作るのにも大変な工程なのだと改めて感じました。
もちろん「ジグ」だけでなく「設計」も必要です。
設計をして、どのような加工するのかを考えながら「ジグ」を作る。
それだけでも大変な工程なのにハジメファクトリーの拘りで何度も試作品を作ってもらった。
この時、金属加工、機械加工の本当の大変さが分かった!
これはハジメファクトリーに来房されるお客さんや、自分で工作したお客さんも同じ事を言われる。
「こんなに大変な作業だとは思わなかった。大変な作業工程だとは頭で分かっていても現場を見ると、想像していたより遥かに難しく手間が掛かり大変な作業だと分かりました」
全く同じ感覚です。
もちろん、どの仕事でも、どの業種でも大変さや困難な事などある程度は分かっているつもりだが業種が違うと本当の大変さや難しさは分からない。
現場を見て初めて分かる。
それでも、自分がやらない限り本当の大変さと難しさは分からないだろう。
改めてアルミ加工製品を受けて頂いている事に感謝でしか無い!
いや・・・気持ちの中で「申し訳ない」という気持ちにさえなる!
製造現場を直接見て、松永さんと会話して感じた。
製作を受けて頂いているだけで感謝しかない。
しかも、少数製造の金属加工・・・ありがとう!
と言いつつ更に手間と技術が必要なお願いをしに来た(^^;
続きは、名古屋の金属加工職人パート2で(^^)