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ハイプロダクト 訪問記 パート2

前回の「ハイプロダクト 訪問記」のパート2です。

その前に、お客さんとの会話ですが、お客さんの知り合いに、ある有名な模型のプロモデラーがおられHAJIME-FACTORYが制作したReplica Customの完成写真や工程写真を見せて話しをされたそうです。
その時に、プロモデラーさんの視点と観点で感想を話された内容を聞き、お客さんが更にHAJIME-FACTORYが制作するスケールヘリに「凄い」と感じた話しを凄く熱く語って頂きました(^^;
またグラス素材をカスタムする難しさも話しをされたそうです。
そして、プロモデラーさんから「この制作者は、どこのモデラーさんですか?」と聞かれ「モデラーでは無く職人です」と言ったそうです。

なんか凄く嬉しいですね(^^)

今までも何度もBLOG等で話をした事ですがHAJIME-FACTORYの制作チーフは自身の作品を作るモデラーでは無くRCスケールヘリコプターを作る職人です。
自分の作品を制作し世に出していく、自分の名を広めていくモデラーや芸術家では無く依頼者のスケールヘリコプターを作り上げる職人です。

国内外から様々な光栄な評価や称号を頂きますが、それは、あくまで、ご依頼のスケールヘリコプターを制作し公開可能なヘリコプターの写真や動画を見て頂いた方々からの評価だと思ってます。
でも、HAJIME-FACTORYとしてデモ機は無いのは少々、考え物ですが(^^;

「モデラー」「ビルダー」「職人」と捉え方によっては言葉遊びになっている感がありますが、その意味するところの違いは大きいと思ってます。

余談でした(^^)

本題に入ります。

ハイプロダクトに関しては今回は訪問記なのでパート3で終わりますが、もし私がハイプロダクトの全てを紹介した記事を書いた場合一冊のパンフレットが出来るほどの量になりますので凄く省略してます(笑)
その為「訪問記」に絞った記事になります。

それでは「職人」長瀬さんに会いに行った「ハイプロダクト 訪問記」の続きです。
まだ前回の投稿記事をご覧になられていない方は「ハイプロダクト 訪問記」からご覧ください。

テーブルに置いてあるローターは・・・

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現在、開発中のAH-1 Cobra用のブレードです。

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AH-1 Cobraのローターブレードは先端が特殊な形状をしてます。

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グリップ部分も特徴的です。

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その形状をラジコンのブレードとして再現し尚且つ適切な飛行性能も計算し製作しているのが今回のAH-1 Cobra用ブレードです。

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生産されたローターブレードを見ると分からないと思いますが、この形状を再現し型を作り生産するには課題も多く難しいです!

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何度か試作を作りながら進めてますが長瀬さんとして、まだ納得していないようです。

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このブレード1つを作るにもスケールヘリユーザーには分からないような課題や障害などもあり試行錯誤しながら製作していく。一定の納得がいくまで!
もちろん世に出ているもので完璧な物は無いと思います。

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この完璧と言うのはユーザー側の感覚では無く職人つまり製造する側の感覚です。
それは私たちHAJIME-FACTORYにもいえてます。
依頼者が「完璧です」「素晴らしい」と言って頂いたとしても職人つまり制作する側は完璧という事は無いと思います。
世界最高のスケールヘリコプターを制作したとしても、これで完璧は無い!そう感じてます!
同じく長瀬さんも同じ感覚だと思いますし、常に良い物を作るという拘りはあります。

そんな職人 長瀬さんが作るAH-1 Cobraのローターブレードの完成が楽しみでしかたありません。
常にユーザーがいる限り、常に必要とされている限り、常に求められている限り、長瀬さんはローターブレード製作に挑戦し情熱を注ぎこんでいく職人です。

ここでローターブレードの型を作る工程を、知らない方の為に簡単に紹介します。
説明している写真は先ほどのAH-1 Cobra用ではありませんが型が出来るまでの工程は何となく分かって頂けると思います。

ここからは長瀬さんの言葉で紹介していきます。

マスターモデルを作るための最初の型です。
やっとここまできました。これから磨き上げ、反転します。
そして磨き上げてマスターモデルにします。それからマザーモデルを作ります。
製品が出来るまでは気が遠くなるような作業です。

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やっと型を反転できました。ここで失敗すると最初からやり直しなので緊張します。
何とかうまくできました。2,3日エイジングを続けて先端加工、後縁の修正、きずの修正などをしてマスターモデルにします。

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やっとマスターモデルができました。枠の取り付け穴も付けました。理系処理のために、ワックスを3回すりこんで、ポバールをぬります。

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離型処理が終わり、型枠を取付、ポバールが乾燥したら、ゲルコートを2回塗ります。

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ゲルコートが硬化したので、バックアップします。材料はガラスマット5層、
#400のカーボン2層、6軸のカーボン1層、ポリ樹脂、アルミの補強材、ガラスクロス薄手、2時間程自然硬化させて、さらに10時間程60度で強制硬化させてから、3日ほど常温でおきます。

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上手く脱型できました。まずはバリを切り取り、60番の板ペーパーでフランジの平面だし。これから200番から1500番ののペーパーで磨いて、最後はバフかけ。鏡面仕上げにします。これがマザーモデル。

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磨き上げた型に3回捨て貼りをします。多めにワックスを塗ってしみこませます。

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型が仕上がりました。あとはヒンジと型を締めるためのナットをつけます。

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ヒンジと締め付けボルトのナット付けが終わって、やっと生産に入れます。

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型が出来るまでの簡単な紹介です。
ここまで約1カ月掛かります。
この型が出来てローターブレードの生産に入れるます。

文章を読んでいて気が付いた方もいるかもしれませんが「やっと」と言う言葉が毎回出てきます。
それだけ型が出来るまでには忍耐力と時間が掛かります

記事が長くなりますのローターブレードの生産に工程は、また改めてBLOGでも紹介していきます。
今回は「訪問記」なので(^^;

型が出来るまでの紹介でしたがスケールヘリコプターユーザーがハイプロダクトのローターブレードを手に取るまでに、ここまでの手が加えられてます。
もちろん、この型の仕上がり具合ひとつでブレードの完成度を左右します。

今回、長瀬さんの仕事場を紹介し長瀬さんのローターブレードに対する考えや生産工程をスケールヘリコプターユーザーにお伝えする事によりハイプロダクトのブレードの価値を改めて感じて頂けたと思ってます。

という事で「ハイプロダクト 訪問記 パート2」でした(^^)
次回は「ハイプロダクト 訪問記 パート3」です。

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お楽しみに(^^)

BLOGは夜から深夜に掛けて夜なべでしながら書いてますので校正してません(^^;
その為、誤字脱字があるかもしれませんが、その時は前後の文面から察して頂ければ幸いです(笑)

私のBLOGは必ず誤字があります(笑)

では、次回のBLOGで!

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