素朴な疑問に答える:「ボディカスタムと実機感」とは? パート3
素朴な疑問に答える
分からないと言えばレプリカカスタムスケールヘリコプター BK117C-1の、この部分も分からないと思います。
依頼者がオリジナル(元)ボディを見ていたとしても分からない場合が多いです。
下の写真はカスタム制作中の写真でサフェーサー状態です。
オリジナル(元)ボディと形状や大きさは変わりません。
しかし、下の写真では変わっているのが分かると思います。
そして実機の写真です。
下の写真が装完成写真です。
光の反射などにより形状が分かりにくいかもしれません。
光の反射などにより形状が分かりにくいかもしれません。
当初、依頼者から50枚近い写真の提供をして頂いたのですが、その写真では分からない箇所があり実機の取材に行きました。
目の前で見る実機BK117C-1 JA291Fを撮影する中で、形状の違いがハッキリと分かり、工房に戻り、作り直しをしました。
私たちが実機の取材に行くのは、単に詳細な資料の為では無く、これから制作するヘリの実機を見る事により実機からしか感じられない鼓動や空気や重圧など様々な事を感じれるからです。
また、ヘリコプター以上に操縦士、整備士など「人」と触れ合う事により鉄のヘリコプターが魂の宿ったヘリコプターになります。
また違うボディカスタムでは無くパーツ制作においても実機感が無ければ作り直します。
例えば下の水平尾翼も同じです。
写真はオリジナル(元)のボディに付属する水平尾翼です。
下の写真はワンオフで制作中の水平尾翼
下はオリジナルと制作中の尾翼を並べている写真
そして、取り付けた状態の写真
次の写真は実機レプリカAIRWOLFです。
このレプリカも元のヘリコプターはBELL222なので尾翼もBELL222と同じです。
このレプリカも元のヘリコプターはBELL222なので尾翼もBELL222と同じです。
この部分を再現するだけでも「実機感」が出ます。
ただ、この水平尾翼をワンオフで制作するという事は、取り付ける部分も元のボディの穴を埋め平らにして作り直しが求められます。
つまり、1つのパーツを変えるだけでボディも含め全てが変わるという事です。
例えば、下の写真はAIRWOLFのサンバーストですが
依頼者からサンバーストが開閉出来るようにして欲しいと依頼があった場合、サンバーストの造形を作るだけでなくボディ側をカスタムして作る直す必要が出てきます。
下の写真を見て頂ければ分かると思いますがカバー部分の端が浮いてます。
それだけでなく、このAIRWOFの特徴でもあるカメラ部分とサンバーストのボディ側の形状、膨らみや幅も違うのと一番はオリジナルボディの造形が悪い事により滑らかでは無くボディ部分がうねってます。
その全てを作り直し綺麗にしていく所から始まります。
そして、サフェーサー状態です。
もちろんカバーとなる部分の素材も重要になります。
当初、グラスで作成したのですが時間が経過すると反ってきます。
その為、数種類の素材で製作し開閉の繰り返しと気温や時間の経過でも問題無く綺麗に閉まり、ボディに沿うカバーを作らなければなりません。
そして、完成です。
1つのカスタムをすると言うのは、それに伴って他の部分も全て作り直しもしくは修正など手を加えていく必要があります。
依頼者は、そのような事は分かりません。
自身が持っている希望を私たちに伝えます。
その希望を受け止め叶えるという事は、私たちにとっても挑戦となります。
HAJIME-FACTORYのカスタムスケールヘリは同じ物を沢山制作する事はありません。
全ての依頼、全ての制作の殆どは初めての制作となります。
その為、カスタムスケールヘリの制作依頼を受け、依頼者の希望を叶えると決めた時点で私たちの挑戦でもあります。
カスタム制作は言わなければ分からない部分が多いと思います。
完成すれば全体像に目が行きます。
制作中のドアの角度や隙間やボディの僅かな形状など説明しないと分からない、説明したとしても元のボディと比較しながら説明しないと分からないような部分も非常に多いです。
実機に詳しい人や整備士また隊員であっても変化に気が付かない人もいます。
実機に詳しい人や整備士また隊員であっても変化に気が付かない人もいます。
カスタム制作、カスタム加工だけでなくボディの修正や下地作りなどカスタム制作以外の基本の部分でさえ、相当の手間と時間を掛けて制作します。
そのような部分でさえ全て手を入れて行くのは、依頼者の想いや依頼背景また拘りなど様々な部分の想いと、実機感を出すという1つのテーマの中で創り上げていくのがReplica Customです。
もちろん、実際に空を飛ぶラジコン ヘリコプターです。
どのよなReplicaCustomであっても実機と同じく空を飛ぶという部分も妥協無く仕上げて行きます。
以前、BLOGでも紹介したディスカバリーチャンネルでスケールヘリビルダーの競技があったと思いますが、その中で審査されるのは、スケールヘリとしての造形的な完成度とR/Cとしてのフライト性能が両方とも重なって初めて審査員から認められます。
どんなに大変な思いをして創り上げても審査当日に飛ばなければ、また飛びの質が悪ければ落とされます。
だからこそR/C スケールヘリコプターなのだと思います。
「ボディカスタムと実機感」というテーマでBLOGを書きましたが、今回、紹介したAH-1W SuperCobraのカスタム部分や加工部分は全体のほんの一部です。
完成を100%とするならば5%も紹介出来ていません。
AH-1WにしてもBK117C-1にしても全てを公開するとなると1冊の雑誌が出来ると思います!
でも、いつかHAJIME-FACTORYの〇〇〇が出来るまでという雑誌が自費出版で出来るといいなと思ってます。
「実機を再現する」「実機感を出す」の2つのテーマは私たちHAJIME-FACTORYにとっても、尽きる事の無いテーマのように思います。
のBLOGを最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m